パブリックドメイン

数年前、ジョン・レノンの「イマジン」の著作権について、オノヨーコがその期限の延期を求めるような発言をしていた時期があって、ある人が「Imagine no possessions って言ってるのに、わかってないんだなあ」と言って笑っていたけれど、要はそういうことなのである。
どういうことなのかというと、国内発売が2012/11/13とあるから、1ヶ月遅れで購入した、スフィアン・スティーブンスのクリスマスアルバムSilver & Gold」。ボックスに5枚のCDが入って、そのほかにも、ポスターとかシールとか楽しいものもたくさん入っていて、3000円くらい。クリスマスプレゼントに最適と思いきや、今年は間に合わない。

クリスマスCD5枚入りのボックスセットは今回の「Silver & Gold」が第2弾で、2006年11月に第1弾の「Songs for Christmas」がリリースされている。身近な人たちと1年に1枚、クリスマスCDをつくるプロジェクトらしい。5枚になったら、箱に仕舞われて、僕らのもとにも届けられる。
何年か前に買った第1弾の「Songs for Christmas」は、ほんとうにすばらしい内容で、我が家ではクリスマスシーズンになると繰り返し聴くのだけれど、今回の「Silver & Gold」もすごくいい。
収録曲は、スフィアンの新曲(もちろんクリスマスソング)や、トラディショナルのキャロルなど、さまざま。曲もいいし、演奏もいい。
ライナーノーツを眺めていて驚いたことに、スフィアンによる作詞作曲のコピーライト(C)が、「Public Domain」となっている。
パブリックドメイン著作権は放棄されていますよ、ということ。
いやはや、すごいはなしではありませんか。
そうすると、ワールドワイドウェブを背景にしたフリーユースの時代とか言う人がいるけれども、このパブリックドメインは、また違ったはなしなんじゃないかと思う。
Sufjan Stevens - "Christmas Unicorn" live

涙が出るくらいに、楽しそう。

世界をcirculateしているさまざまなmerchandiseやinformationの実体は、rightsとか、advertisingとか、publicityみたいな実体のないものがおそらく半分くらいを占めていて、それは本来possessionできないものをpropertyという概念で呼んだときからはじまった。

Imagineの先にしかなかったno possessionsを、3000円のCDのライナーノーツに見つけた興奮。