誰のためのぽすれんだ!

昨日は、いちばん下の弟が遊びに来て、BAROLO(バローロ)というイタリアワインを開ける。空ける。
親父が亡くなったときに、友人のカジノさんがお供えしてくれた品で、ずっとお供えされているのもワインに悪かろうと、栓を抜いた。
安いワインと括っていたわけでは決してないけれど、とんでもない、最高においしかった。イタリア通の弟曰く、高級品だという。
親父、おいしかったよ(なんだそりゃ)。
 
いま、2013年。
僕が、仏文の学生だったのは、15年も前のはなしだ。
当時、仏文科の女の子たちがよく観ていた映画といえば、ルコントか、クラピッシュの作品だった。
ルコントはちょっと大人っぽいというか、「リディキュール」なんかがそうだけれどペダンティックな側面もあって、いっぽうクラピッシュが描くのは、日常の延長で、けれども、とことんおしゃれだった。
クラピッシュは、「猫が行方不明」が人気だったなあ。
あれは、原題が、「Chacun cherche son chat(シャカン セルシュ ソン シャ)」といって、フランス語の早口言葉。
なんか、懐かしく思いだして、観てみたくなって、「ぽすれん」で検索したら、ない。
クラピッシュは、「スパニッシュアパートメント」と他2作しか、在庫がない。「青春シンドローム」とか、「パリの確率」なんかも、おもしろいんだけど、借りられない。
ルコントは...、と検索してみると、「タンゴ」がない。「リディキュール」もない。
なんか、スカスカだなあ、ぽすれん
 
そんなんで、執拗にぽすれんの在庫を検索してみたら、クストリッツァの「アンダーグラウンド」がない。ビラルの「ティコ・ムーン」がない。クローネンバーグの「戦慄の絆」がない。
誰のためのぽすれんだ! と腹が立ってきた。
 
クローネンバーグ、新作が公開らしい。「コズモポリス」。
ドン・デリーロの原作だというから、おもしろそう。