クララサーカス「Klara Circus LIVE 1985-1991」(おおざっぱに、1988年を思う)

ここんところ、部屋でも車でも、ずっとクララサーカスばかり聴いている。

クララサーカスのCDとDVDは、ほとんどが87年から91年のライブ収録。クララサーカスの彼女たちは、髪を短く切ったり、襟の大きな衣装を着て、僕が10年後にも20年後にも書けないような詞の歌をライブハウスで演奏している。それに、みんなかわいい。みんな僕より10歳くらい歳上なのだけれど、いまの僕よりは10歳以上も歳下で、顔がアップになっても、かわいい。

車に搭載されているスピーカーはとりたてていいものではなくて、むしろふわふわした音質が嫌いなのだけれど、大きな音でクララサーカスをかけながら三浦の海沿いを走っていた。このCDはスタジオではなくライブ録音で、しかもステージのマイクやアンプから直接、音を録っているのではなくて客席からレコーダーで録っているものだから、客席のしゃべり声が、ときどき聞こえる。聞こえるというか、録音されたものとして残っていて、CDに入っている。
CD3曲目の「エンゼル・オーファン」という曲は、クララサーカスの代表曲のひとつらしいのだけれど、それはともかく、曲がまだ盛り上がらない冒頭の部分で、ライブ客の女の子のしゃべり声が「お友だちの友だちで・・・」と言っていて、それが残っている。
CDジャケットの記録だと、1988年4月19日の、原宿「クロコダイル」でのライブで、そこにいた女の子が「エンゼル・オーファン」という曲のはじまるときに誰かと喋っていて、おそらく、「なぜこのライブにきたのか」とか、「メンバーの誰とどういう関係か」とかいう誰かの質問に、「お友だちの友だちで・・・」と応えている。応えているというか、しゃべっている。1988年の4月19日があったのだと思う。原宿の「クロコダイル」という空間にまで想像は及ばないのだけれど、おおざっぱに、1988年を思う。