安部公房『(霊媒の話より)題未定』

安部公房の「天使」という短編が見つかって、文芸誌の『新潮』に掲載されたのが昨年末で、ちょっと話題になった。『新潮』は増刷されたらしい。 「天使」は、1946年、満洲からの引き揚げ船のなかで書かれた短編だという。 このところ、満洲のことばかり調べ…

長男の宿題

幾(長男)の算数の宿題が間違いだらけ。「どちらがどれだけ多い(少ない)」が苦手らしい。 いっぽう、幾は歴史好きで、戦国時代の出来事とか、武将の生没年をことごとく暗記しているので、これを算数に活用しようと思った。 僕「家康は何歳まで生きたの?…

小峰和夫『満州紳士録の研究』

知人がブログで、今年読んだ本で一年を振り返っていたのを読んで、ぼくも振り返ってみることに。 ほんとうにいろいろあって、気が遠くなりそうです。 で、今年読んだ本のベスト1を選ぶと、これです。じゃん。 『満州紳士録の研究』小峰和夫、吉川弘文館(201…

パブリックドメイン

数年前、ジョン・レノンの「イマジン」の著作権について、オノヨーコがその期限の延期を求めるような発言をしていた時期があって、ある人が「Imagine no possessions って言ってるのに、わかってないんだなあ」と言って笑っていたけれど、要はそういうことな…

水村美苗『母の遺産』

水村美苗『母の遺産』を読んでいる。 おもしろくておもしろくて、多和田葉子『雪の訓練生』以来の「昂奮」。 いま、五十四「歌留多遊び」。読み進むのが嫌で、読むのに集中できないという、おかしな逆説。 三十六「ちりあくた」の冒頭 眠りが甘露だったのは…